私の強みって何?②・・・心の中の核になっているもの
「北海道に行きたい」という思いは、私に原動力を与えてくれました。
当時、約30年近く前になるのでスマホはもちろんなく、ガイドブックや時刻表で調べたり、電話で問い合わせしたり、我ながらよくやったと思います。アルバイトでお金を貯めたとは言え、まだ19歳だったのでそんなにお金はありません。宿をどうしようかと思い、行き当たったのが「ユースホステル」でした。1泊2食付きで3000円〜5000円くらいだったと思います。「知らない人と相部屋?」というのが引っかかりましたが、贅沢は言ってられません。宿はユースに決めました。
7月に富良野、稚内、礼文島まわりました。見渡す限りの大自然と、広い空(空がすごく近く感じました)と白く輝く雲、美しい湖、森の中から見る日の出、海に沈んでいく夕日など、感動の連続でした。
そしていよいよユースへ。緊張しながら入っていくと中から「おかえりなさ〜い」と優しい声で迎えてくれました。この優しい声で、私の緊張は一気にほぐれました。
夕食もみんなで一緒に食べるということで、やや緊張しながらテーブルに着くと、そこにも優しい空気が流れていました。旅人の方たちはほとんど一人旅なので、私にも気さくに声をかけてくれました。そして私も北海道の自然に感動していたので、自分でも信じられないくらい饒舌になりました。ユース以外でも一人でいてると地元の方たちも、優しく声をかけてくれました。北海道一人旅は、北海道の自然が素晴らしいことはもちろん、人って優しいんだということ、好きなことをやっている私は人と緊張せずに話することができること、こんなに素晴らしい自然を見ることができて、生きていてよかったと感じることができました。
好きなことをやっていくと、それに伴いやりたいことが湧いてくるんですね。
北海道から帰ってきた後は、「次は知床に行きたい」「電車、バスは不便だから、車の免許を取りたい」などなど。
「1人でも楽しく過ごせる」というのは、半分合っているけど半分は間違っていた。
1人でいてる時間は長いかもしれないけど、そこに優しい人たちが関わってくれているから、楽しく感じることができているのだと。
あれから30年近く経った今、北海道一人旅をするエネルギーはないですが、「北海道一人旅」をした経験は、私の「心の中の核」になっているように感じます。
北海道まで行かなくても、今見ている日の出、夕日は、同じ太陽なのだと感じ、北海道のように大自然が目の前に広がっていなくても、身近で頑張って生きている草花にも感動することができるようになりました。家族や数少ない友人の優しさを感じることができるようになりました。
今やりたいこととと言えば、母とも一緒に行けるくらいの旅行を密かに考えております。そのためには、母の健康も重要になってきます。
あの頃の私と少し違うとしたら、やっと家族の健康にも気を配ることができるようになったことくらいかな・・・と。